澳门现金网_威尼斯赌场-【app*官网】

图片

特集  創立80周年を迎えて 廣内 忠雄

岐薬大生よ、 大志を抱け―産業界からのメッセージ―

武田薬品工業株式会社 医薬営業本部
コーポレートオフィサー副本部長

廣 内 忠 雄(大24)

岐阜薬科大学創立80周年を迎えられたこと、 誠に感慨深いものがあります。
  卒業生や在校生の皆様、 そしてこれまでお勤めになられた職員の皆様方の並々ならぬご努力に心より感謝申し上げます。
  さて私は、 1976年に岐阜薬科大学を卒業後武田薬品に入社しましたが、 MR にはじまり、 以来ずっと医薬営業本部で仕事をしており、 いわゆる営業一筋です。
  実は私自身は動物が好きで、 岐薬大に入らなければ動物学者でもいいなと、 高校時代に考えていました。
  ですから特別に製薬企業に憧れや執着があったわけではありません。
  縁あって岐薬大にお世話になり、 有難いことに先生方の薦めもあって武田薬品に入りました。
  営業はユーザーとの深い信頼関係をいかに構築するかが大切ですから、 とにかく目の前の顧客に集中しなければなりません。
  これまで岐薬大の同窓の方々にも随分と助けられました。
  この場を借りて御礼を申し上げます。
  現在は当社営業本部の幹部として方針策定や第一線のサポートをする一方、 日本ワクチン産業協会の理事長等、 業界全体を俯瞰した仕事もお引き受けすることが増えました。
  こういう立場になると改めてこの製薬産業とは何だろう、 と考える機会も増えてきました。
  ワクチンを例に取ると、 通常のビジネスの側面からパンデミックインフルエンザ対応という国防の観点に至るまで、 この産業が社会の中でどうあるべきかという意思決定や見解表明を常に求められます。
  営業視点だけではもはや耐えられません。
  顧客に密着する癖はここではグッと我慢して、 遠く高くへと視点移動を余儀なくさせられます。
  営業副本部長としてユーザー訪問しても同様です。
  話題の一つとして出てくるのは医療の未来であり、 業界の行方等々です。
  新薬の採用御礼で伺ったつもりが新薬価制度論議に発展し、 果ては知財ビジネスのあり方へと高まっていくこともあります。
  今話題の TPP 交渉の焦点のひとつは知的財産権の扱いです。
  新薬ビジネスの心臓部分である知財を、 途上国が先進国の横暴だと非難する新たな問題も浮上してきたとも聞いています。
  一方、 その知財ゆえに世界で売上げたグローバル製品の利益は本社所在地の営業利益として計上されるビジネス構造は、 国家に対しての高く安定した担税力を産み出し、 世界主要国は軒並み製薬産業の育成に国家予算を計上する時代でもあります。
  かつて高度成長期を支えた自動車、 電気といった基幹産業にならんで、 知識集約型で科学技術と社会保障の充実に直結する製薬産業が今後の先進国の中心的なポジショニングを取ることはむしろ自然なことでしょう。
  さらにはグローバルに産官学が創薬連携する仕組みであるオープンイノベーションは研究職のキャリアプランを大きく変えようとしています。
  自らの創薬テーマが実現する場を求めて、 所属も国境も越えてダイナミックに行き交う時代です。
  高騰し続ける研究開発費と、 何と3万分の1を下回った新薬創出確率の下では形には拘っていられないのです。
  一方、 英語さえできれば世界中の研究者とやり取りして、 契約が成立すれば共同研究も始まります。
  夢がすぐに実現する時代といってもいいのではないでしょうか。
  途上国への CSR と先行投資が渾然一体となったグローバルヘルスも魅力的なテーマであり、 生命関連産業の使命感と途上国ビジネスの醍醐味を一気に味わうことになります。
  新たなビジネスモデルと言っても過言ではありません。
  ところで岐阜薬科大学からはこれまで、 研究、 開発、 製造、 営業他、 武田薬品の様々な部門に多彩な人材を送り込んで頂いています。
  そして皆さんそれぞれの部門のプロフェッショナルとして重要な責務を担っておられます。
  お蔭様で営業部門も多くの優秀な後輩たちが支えてくれています。
  目の前のことに集中して熱血営業をしてきた私が今思うことは、 物事を俯瞰して見ることの大切さです。
  それは研究、 開発、 製造、 営業のプロとしての志を、 製薬業界人としての大志に昇華させることです。
  より上位概念でものごとを見ると、 志も大きくなります。
  私は徐々に大きな仕事を与えられ、 それに真剣に取組むうちに、 順を追ってそうなってきている気がします。
  今は武田だけでなく日本の製薬業界を本当に発展させたいと思いますし、 製薬ビジネスの可能性を世に問いたいとすら思います。
  間違いなく世界中が巻き込まれて行く超高齢化社会はこの産業の発展が鍵です。
  アンメットメディカルニーズに対する医薬品を創薬し開発すること、 ATM (Access to Medicine) を向上させて届けなければいけない人に医薬品を届けること、 製薬?製剤技術をさらに向上させることなど課題は山積です。
  でもそれぞれの課題解決が人々の幸せに直結します。
  病気で悩み苦しむ人々の役に立つのです。
  そのひとつひとつを考え抜く才能ややりきる情熱は、 志、 それも大志のなせる業に違いありません。
  立場を得て考えるようになった私は実は本物ではないとすら思います。
  岐阜薬科大学の学生の皆さん、 若いうちから、 高い視座で考える癖をつけてください。
  現在、 実にやり甲斐のある業界に身を置かせてもらったものだとつくづく感じております。
  医療貢献そして社会貢献を実感出来るこの素晴らしい環境で、 専門の技をしっかり磨けば、 鬼に金棒なのですから。
  最後に、 なんで私が動物学者をやっていないかと申しますと、 それは好きというだけで、 志が足りなかったからに他なりません。